外乗は、なだらかな坂を常歩で歩いて山頂へ向かう。山頂からは地中海とエーゲ海を一望できる。馬上から眺める夕景は心が震えるほどの美しさだ。

 

ここ最近、トルコの奥深い魅力を知るヨーロッパ･セレブは、こぞってボドルムを訪れてヴァカンスを楽しんでいる。高級ホテルの参入が増えており、町の中心部の海沿いはホテルの建設ラッシュに沸いている。そんな中、アマンルヤはあえて中心部から離れた場所に建てられた。ボドルム空港から約30分のドライブで、エーゲ海を望む小高い丘にあるリゾートに辿り着く。賑やかな中心街から車でわずか10分の場所だが、オリーブと松の森に囲まれた敷地内には喧騒とは無縁の世界が広がっている。
　アマンはサンスクリット語で「平和」、ルヤはトルコ語で「夢」を意味する。アマンルヤはその名の通り、夢のような滞在を叶えてくれるリゾートだ。乗馬愛好家には、絶景を望む夢のような外乗が用意されている。
　早朝８時もしくは夕方16時にホテルを出発し、車で約45分で提携先の乗馬クラブに到着。初心者は馬場で練習してから外乗に出発する。クラブには現在12頭の馬がおり、ドイツやフランスから輸入した馬が多い。外乗にはハーフリンガーやポニーなど比較的小柄な馬を使用している。

　コースは１時間で森を往復する初心者向けと、さらに山頂まで進む上級者向けの２種類がある。緩やかな坂道を登り、馬の背に揺られて景色を楽しんでいるうちにあっという間に山頂に到着する。目の前に広がるのは、エーゲ海と地中海を見渡す絶景だ。
　馬上からの景色を楽しんでいる間に、同行したホテルスタッフがテーブルセッティングを始めてくれる。料理はつい食べ過ぎてしまうほど美味しく、実際、満腹になって馬に乗れなくなり、ホテルの車で下山したゲストもいるという。急な変更があっても、アマンルヤのスタッフが笑顔で迅速に対応してくれるので安心だ。
　美しい景色の中での外乗と、自分達だけに用意された食事を楽しむ。ここでしか体験できない最高の外乗は、深く心に刻まれることだろう。

ボドルム半島北部の沿岸にあるアマンルヤ。メインプールの前にあるプールダイニング パヴィリオンには、プールから反射した光がダイニングに差し込み、白い壁に美しい模様を描き出している。

 

　夢のような外乗を楽しんだ翌朝は、小鳥のさえずりで朝を迎えることができる。アマンルヤの敷地内には樹齢数百年のオリーブの木が生えており、リゾートの建物はその木々を切らないで済むように建てられている。そのため、36あるコテージは、広さは75平方メートルと同じだが、それぞれ違う間取りになっている。森に囲まれたコテージには、鳥の鳴き声や葉が風に揺れる音など自然の音だけが心地よく響く。
　気持ちのよい朝を迎えたら、メインプールの前にあるレストランへ。朝食はトルコ料理とコンチネンタル料理を選べるが、ぜひトルコ料理を選びたい。敷地内で採れたオリーブに、コームハニー（ハチの巣入りハチミツ）、焼きたてのパン、新鮮な野菜、手作りチーズ……、テーブルいっぱいに小皿料理が並ぶ。太陽の光が反射してきらめくエーゲ海を眺めながらの朝食は、至福のひとときだ。レストランは全部で３つあり、いずれも海を眺められる場所にある。
　建物は地元の建築家が手がけており、イスラム建築様式のデザインが取り入れられている。赤茶色のレンガと石で造られた敷地内を歩いていると、古代遺跡を散策しているようだ。

　陽光あふれる静かなリゾートは、ここから一歩も出たくないと思わせるほどに居心地がよい。アマンルヤを運営するアマンリゾーツは、リゾートのロケーション選びの天才と言われている。外乗を楽しんだ後は、究極の隠れ家でただひたすらのんびり過ごしたい。

Bülent Ecevit Cad.,Demir Mevkii, Göltürkbükü, TR-48483 Bodrum
問い合わせ：アマンリゾーツ共通
日本語対応フリーダイヤル 001+010 800 2255 2626
https://www.aman.com/ja-jp/resorts/amanruya?gclid=CjwKCAjwqarbBRBtEiwArlfEIOTqtIHz2-lwatarpnxsK5cuotfluYJTW8CUoxFvwScAdjIu3JLrDBoCvogQAvD_BwE&gclsrc=aw.ds