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憧れの英国乗馬を学ぶ 01_ターランド乗馬学校

イギリスはヨーロッパの乗馬大国のひとつ。馬術教育のシステムが確立されていることでも知られている英国で、本格的な馬術の習得を目的とした学校とより日常的な楽しみのための乗馬クラブを紹介しよう。

Practice 2018.07.11

憧れの英国乗馬を学ぶ 01_ターランド乗馬学校

時に優しく、時に厳しくを地でいく指導ぶりで生徒からの信頼も厚い、パミー・ハットンさんによるレッスンが始まる。この学校にはドミトリーも用意されており、トレーニングに集中できる環境だ。レッスンは1日から1年間まで好きな期間を選ぶことができる。Photos:Yasuo Konoshi

 イギリスで本格的に馬術を学びたい、さらにいうなら国際的に認知されているインストラクターの資格を取りたい、そんな夢を描いている人のための乗馬学校を紹介しよう。ロンドンから西140キロの田園地帯に位置するターランド乗馬学校だ。ここはブリティッシュ・ホース・ソサエティ(BHS)が認可している乗馬学校で、イギリスでも優れた指導者が揃っていることとその指導法で定評がある。

 
 この学校の指導者として筆頭に上がるのは経営者のひとりであるパミー・ハットンさんだ。彼女は自身が総合、馬場で優れた成績を残している現役の競技者であるとともに、バルセロナ・オリンピックで金メダルを取ったオーストラリア・チームやヨーロッパ・チャンピオンなどを指導し、数々の実績を残してきた名トレーナーとして国際的に知られている人物だ。
「初心者からグランプリレベルまで、どのレベルのライダーにも的確な指導ができます。私は教えることが好きなのですね」
と言うパミーさん。
 この学校は彼女の母方の祖母が設立し、パミーさんの母、パミーさんと受け継ぎ、4世代目にあたるパミーさんの息子も現在インストラクターを務めている。
「これだけ長く続いているということは、私たちが馬術界に何らかの貢献をしているから」と言うパミーさんの控えめに聞こえる言葉の裏には、数多くの実績を残してきた彼女ならではの大いなる自信が見え隠れする。

 馬術の上達のためには熱意や根気強さは必須要項だが、才能はあればいいが必ずしも必要なものではないという。なぜならここでは馬術上達のためのシステムが確立されていて、それに従って指導を受ければ確実に上達するからだという。

 
「数学を学ぶ時も楽器のレッスンでも段階的な学習システムがあるように、馬術も学ぶことができるのです」
 もちろんトップレベルのライダーには持って生まれた直観があり、それはまた別のものだが、と付け加えることも忘れない。
教えることへのモチベーションは「ウィニング!」と瞬間に応える。これは実際の勝利であるとともに、勝利と実感できる何かを獲得することを意味するようだ。

 実は、この取材時にここで学んでいる日本人がいた。長野県の飯田にクラブを構える乗馬学校「エクイテーションスクールジャパン(ESJ)」に通う海老原かれんさんだ。海老原さんはここでインストラクターの資格の取得を目指して日々学んでいた。

 

「世界に通じるインストラクターになりたくて思い切って留学しました。日本とはまったくシステムが違い、資格を取るのも大変です。いつか日本に戻ったら子どもたちに教えたい」
 入学当初はまったく話せなかったという英語も、今では流暢でパミーの信頼も得ているようだ。
 海外からの留学生も多く、本格的にきちんとした馬術を学びたいという熱意のある人にはぜひお薦めしたい乗馬学校だ。 Talland School of Equitation Ampney Knowle, Cirencester, Gloucestershire, GL7 5FD http://www.talland.net