｢カッパドキアでお薦めの乗馬クラブは？｣と現地の人に聞くと、必ず候補に挙がるのがアカル･テケ乗馬センターだ。アヴァノス中心部から約３km、トルコ最長の川であるクズルウルマック（クズル川）近くにあり、川沿いから高原を行く外乗で人気を集めている。インストラクターの指導にも定評があり、馬場レッスンに通う地元の人も多い。

　外乗は基本的に常歩だが、出発前に馬場で騎乗レベルをチェックして大丈夫だと判断されたら駈歩での外乗を楽しむことも可能だ。この乗馬センターではできるだけ多くの人に乗馬を楽しんでもらいたいという考えから、まったくの初心者から上級者まで技量に合わせたきめ細かい対応をしている。

　馬はアナトリアン種とアラブ種を中心に37頭所有しており、金色に近い河原毛で“世界一美しい馬”と称されるアハルテケとサラブレッドを交配した珍しい馬もいる。アハルテケはトルクメニスタン原産の馬で、見た目の美しさもさることながら高い持久力を持つ。一説には、中国の歴史上、漢の武帝が何としても手に入れようとした名馬中の名馬と言われた汗血馬は、この馬ことであったとも言われている。この乗馬センターのアカル･テケという名もこの名馬に由来する。馬の育成や販売も行っており、競馬のためにドバイから買い付けにくる業者もいるそうだ。

　外乗コースは１時間、２時間、４時間、さらにランチ付きの１日コースを用意している。川沿いの平坦な小道をしばらく進むと、アナトリア高原を見渡せる草原に辿り着く。どこまでも続く雄大な高原の景色は、奇岩群とは違った自然の偉大さを感じさせる。エンデュランス競技大会にも使用される起伏に富んだコースもあるので、上級者は急勾配の山を駈ける醍醐味も十分満足できるはずだ。

長期滞在が可能ならば、馬でトルコを巡るツアーもお薦めだ。アナトリア高原を巡る７日間と14日間のツアーのほか、イスタンブルから出発してカッパドキアをめざす乗馬旅も用意している。また、不定期でザ・グレイト･アナトリアン･ライドという名のツアーも開催している。このツアーは17世紀のオスマン帝国時代の大旅行家、エブリヤ･チェレビが旅したルートを乗馬で巡る。トルコの歴史遺産と奇跡のような自然を巡る乗馬ツアーは、トルコの魅力を思う存分満喫できるものになる。

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