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パニオロが教える、奥の深いハワイアン乗馬の楽しみ_ハワイ島・ダハナランチ

ハワイの乗馬はとても奥が深い。日頃どのような乗馬スタイルであったも、それ自体はたいした問題ではない。乗馬にとってもっとも大切なナチュラルホースマンシップをここでは学ぶことができるからだ。ハワイ乗馬第一弾として、ハワイ島のダハナランチをご紹介。photos:Yasuo Konishi

Lifestyle 2019.03.15

パニオロが教える、奥の深いハワイアン乗馬の楽しみ_ハワイ島・ダハナランチ

パニオロと呼ばれるハワイアン・カウボーイから学ぶウエスタン・ライディングには馬そのものの本質を知るたくさんの知識と技が詰まっている。そんな彼らがつくる馬たちは安全そのもの。3歳児の超ビギナーからベテランライダーまでそれぞれのランクに併せて楽しめる乗馬ツアーをぜひ満喫して欲しい。

奥の深いハワイアン乗馬の楽しみ

広大なダハナランチは、もともとハワイ王朝の王の所有地であった。それを譲り受けて現在の形になっているが、敷地内だけで聖地として有名なワイピオ渓谷の近くまで行ける。

 

ハワイの乗馬はとても奥が深い。ウエスタンからブリティッシュまでその楽しみ方は実にさまざまだが、どんなスタイルを選ぶか、それ自体はここではたいした問題ではない。たとえば日頃ブリティッシュスタイルで乗馬を楽しんでいる方でも、パニオロと呼ばれるハワイアン・カウボーイから学ぶウエスタン・ライディングには馬そのものの本質を知るたくさんの知識と技が詰まっている。それは当然のことながらブリティッシュ乗馬のスキルアップにも大いに役立つはず。しかも高い技術をもった彼らなら入門者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせて自在に楽しませてくれる。

パニオロが継承するホースマン・スピリッツハワイのどの島に行っても道は海岸沿い島の形に添うように作られている。どの島も単純化すれば円錐状であり、主にその底周部で人々は暮らしているのだ。もちろんこれだけの大地を放っているわけではない。中央部を目指せばすぐに豊かな牧畜地が広がり、そこかしこで牛を見かける。とくにハワイ島はハワイ列島の中で最大であるとともに、いちばん新しくできた島だ。そのためにいまだに活発な火山活動が続いてる。ここではダイナミックな自然の中で牛を主とした牧畜業が盛んだ。その荒々しい大地ではカウボーイ、カウガールが、日々、馬を駈って牛を追っている。

安心、安全、感動が体感できる、乗馬ツアーは3歳児から可能! ここで行われている3つのツアーは、広大な景色を満喫する1時間半のツアーから牛追い体験ができるコース、そしてベテラン向けの外乗コースまでそのないような実に多彩。そのいずれも馬の調教は折り紙付き。3歳児から対応してくれるのもここだけだ。

 

ちなみにハワイのカウボーイはハワイ語でパニオロと呼ばれる。これは馬や牛を扱う技術をメキシコ人から習得したためスペイン語で「スペイン人」を指す“español”がハワイ語に取り込まれ“paniolo”と変化したといわれる。

ハワイでは牧畜業を営むパニオロたちの多くが観光でやって来たライダーたちを迎えてくれる。パニオロの乗馬技術の高さはウェスタンの世界では折り紙つきだ。20世紀初頭、ワイオミングで行われたウェスタンの競技会に初めてハワイの代表が参加した。誰もが予想しなかったことに──おそらく本人たちも──ステアローピング(投げ縄による牛の捕獲競技)で1、2、6位を獲得してしまった。この3人は英雄として迎えられ、それ以来、ハワイでは伝統的にウェスタン競技への関心が高く、技術の鍛練に余念がないという。

 

馬を知り尽くしたダハナランチのハワイアンカウボーイ

ダハナランチで生産されているのクオーターホースが主流。ハワイの中でも有数の生産牧場となっているその背景にあるのは、ハリー氏の経験豊かなホースマンシップの知識と腕にあることはいうまでもない。牛追い用のほかウェスタンの競技会用に調教しハワイ州内だけではなくアメリカ本土にも輸出している。

 

そんな高い技術を持つパニオロのひとり、ハリー・ナコア氏が経営するダハナランチをここでは紹介しよう。もともと王の所有地であったここはこの牧場では広大で、聖地として有名なワイピオ渓谷の近くまで行けるという。牛とともに馬の生産にも力を入れている。ハワイの中でもこれだけ馬産に力をいれているところは珍しく、それはハリー氏の技術があってのことだろう。生産されているのは主にクォーターホースで、牛追い用のほかウェスタンの競技会用に調教しハワイ州内だけではなくアメリカ本土にも輸出している。

ハリー氏のその調教技術の高さは本土の馬乗りたちの間でも知られていて、われわれが訪れたときも男女1人ずつの研修生が学んでいた。現在、この父の薫陶を受けているのが日系三世の母を持つ4男のパカウラだ。俳優もかくやと思わせるイケメンぶりと馬を扱う筋の良さからハリー氏自慢の息子だ。そして日本名アヤコの愛称を持つ末っ子の11歳のイケナもすでに確かな乗馬技術を習得し、兄のローピングの訓練のヘルプをしていた。

 

ナチュラルホースマンシップの真髄を学ぶ

ハリー氏の自慢の息子パカウラが披露してくれた荒技。騎乗した状態で牛にロープをかけ素手でその牛を組み伏せて気絶させるという。このような力技と馬に対するソフトコンタクト、この2つが絶妙なバランスで混在しているのがパニオロの強みだ。

 

この日、パカウラは騎乗した状態で牛にロープを掛け、ロープを妹に託し素手で牛を倒し気絶させるという荒々しい実演を見せてくれた。さらには調教途中のやんちゃな馬がハリー氏の手にかかると従順な馬に変化する様を目撃することもできた。逃げまどう牛を一瞬にして組み伏せる力技と、馬を馴致する緻密な技、その2つを絶妙なバランスで自らの内に秘めているハリー氏、そんな彼の中にアメリカ伝統のホースマンシップが息づいていることはいうまでもないだろう。どのように接すれば、馬がどのようなリアクションで応えてくれるか、まるで魔法のようなコミュニケーション術を見せてくれる。ハリー氏が見せてくれるそのテクニックは、ブリティッシュであれウェスタンであれ大いに参考になるはずだ。とても新鮮な乗馬体験となるであろうことはいうまでもない。彼らに従って馬に乗れば馬も騎乗者の気持ちに応えて十二分な力を発揮してくれるだろう。アメリカのなだらかな地形に比べハワイは起伏が激しく牛を追うのも容易ではない。伝説のワイオミングでの優勝も、日々の仕事より競技会の方がよほど見通しがよく楽だったからだと言われる。

 

安心、安全、感動が体感できる、乗馬ツアーは3歳児から可能!

すべての馬が安心・安全にツアーが楽しめるよう、細心の心遣いを持って仕立てられている。3歳児からの騎乗を受け入れているのもその自信の表れともいえるが、ここ以外にこの年齢での受入をしてくれるランチはほぼ皆無といってもいい。

 

ちなみにこのランチで行われている乗馬ツアーは3種類。広大な牧場内に広がるマウナケアの荘厳な風景を満喫しながら約7Kmの距離を馬でいく1時間半のツアー、そしてインストラクターの助けを借りながら100頭の牛の群れをまるでカウボーイのように誘導する牛追い体験が楽しめる2時間半の「キャトル・ドライブ」ツアー。このどちらのツアーも初心者でも参加可能で、3歳児から対応しているという。また上級者向けのツアーも用意されており、こちらは2名以上の参加者で行われる2時間の本格的な外乗体験となっている。すべてのツアーで使われる馬たちは、ハリー氏をはじめとするダハナランチのスタッフが誇りを持って調教した馬ばかりだ。だからこそ、3歳児でも乗れると自信を持っていえるのだろう。家族揃って楽しめそうな、このめったにできない経験、ぜひ試してみてはいかがだろう。

Dahana Ranch

P.O. Box 1293・Kamuela, HI 96743 Tel. (808) 885-0057 E-meil:dahana@hawaiiantel.net https://dahanaranch.com/japanese-reservations 日本語予約代行(アイランドパラダイス) www.hawaii-optionaltour.com/hawaii/1881