ハワイ乗馬第2弾は、マウイ島での乗馬の楽しみ方をご紹介。雄大な自然と優しい風景が混在するマウイ島は多彩な乗馬が楽しめる島。ここでご紹介するのは、本格的なウエスタン・ライディングが学べるランチ。photos:Yasuo Konishi
Lifestyle 2019.03.29
標高3055mの高さを誇るハレアカラ山頂へは車で直接行くことができる。その山頂から火口へと馬で行くのが「ポニーエクスプレス・ツアー」だ。マウイへ行ったらぜひ体験したいと思っていたのだが、ツアー主催者がリタイアしてしまったとのことで現在は休止中。人気のツアーだけにできるだけ早い再開を期待したい。
波打ちぎわでの騎乗も乗馬経験者であることが必要。溶岩の大地を進むのも慣れていないと苦労するが、打ち寄せられる波と呼吸を合わせるタイミングが求められるシーサイドライドの場合、自由に馬を動かせる技量が不可欠だ。
マウイ島南部にあるマケナ地区はビーチの美しさで知られる。マウイを女性の横からの姿に置き換えると、ちょうどバストトップになるあたりだ。このマケナの南端にパットとヘレイン・ボルゲ夫妻がオーナーのマケナステーブルがある。ステーブルといってもここは牧場ではなく、夫妻が営む乗馬クラブだ。その内容はウェスタンスタイルが中心となっている。クラブ内での騎乗ももちろん楽しめるが、ここでの売りはやはりマウイの素晴らしいロケーションを満喫出来る外乗ツアーにあることはいうまでもない。「モーニング・ライド」そして「サンセット・ライド」というスパシャルパッケージが用意されているが、その美しさは筆舌に尽くしがたいほどだ。一度体験したら、必ずと言っていいほどもう一度行きたくなる、それほどの感動をプレゼントしてくれる外乗体験だ。
パット氏の一族は、祖父の代からパニオロで1983年に独立してこのステーブルをオープンした。一見このステーブルは柵で仕切られた馬場のある内側だけが敷地のようだが、実はそこから裏に出て海岸沿いに延々とマケナステーブルの敷地内なのだ。
そしてこのステーブルの何よりの特徴はパット氏、スタッフともどもウェスタン競技に積極的に出場しているアスリートであることだろう。そしてさまざまな大会で、誇るに足る成績を残していることだ。そのスキルを活かしたいという思いもあって、ここでの馬場レッスンでは中級以上のライダーを中心としている。ナチュラルホースマンとしての技量も含めて、きちんとウエスタンライディングのスキルを磨いていきたいと考えているライダーにとっては、まさにうってつけの乗馬クラブといえるだろう。
パット氏が馬の鼻に息を吹き込むと催眠作用が働いたように大人しくなるのだと、その馬で実演してくれた。
また、外乗においても初心者は歓迎されないようだ。マウイ生まれマウイ育ちのパット氏が勝手知ったる土地を自在に案内するとあって、乗馬経験があることを推奨している。実際に海岸近辺をともに馬上で散策したが、溶岩に草木が茂っているというマウイの環境は平地を進むのとはかなり様子が違う。溶岩でできた土地は段差が多く、ちょっとしたくぼみがトラップのようにあちらこちらに仕掛けられている。そして波打ちぎわでの騎乗も乗馬経験者であることが必要。溶岩の大地を進むのも慣れていないと苦労するが、打ち寄せられる波と呼吸を合わせるタイミングが求められるシーサイドライドの場合、自由に馬を動かせる技量が不可欠だ。初心者にとっては厳しいコンディションであっても、それなりの乗馬経験者ならば、普段なかなか出合えない特別のロケーションに新鮮な驚きを覚えると共に、ちょっとしたチャレンジ気分も楽しめるだろう。
とはいうものの、パットも今回出演してくれたクリスティーナもとても気さくで指導もビギナーに接しているかのように丁寧だ。とくにパット氏からは馬をよく知っているという自信が全身から醸し出されていて、外乗中にどんなアクシデントが発生しても、彼なら難なく解決してくれる、そんな信頼のオーラに溢れていた。
このステーブルでは10頭の馬がおり、クォーターホースとアラブが半々だという。ツアーについては1回6人のグループが最大だという。
「たとえば自分でネットを見て予約ができるなら、英会話力も求めたいですね。なぜなら、会話が交わせれば外乗ツアーの楽しさが、何倍にも大きく広がりますし、技術指導もできますから」とパット氏が最後に加えた。
8299 Makena Rd Kihei, Maui, HI 96753
Tel. 808-879-0244
www.makenastables.com