Follow us

太平洋を望む究極のリゾート「コスタ・カレージェス」で過ごす、乗馬三昧の日々

世界中のセレブから愛されるプライベートリゾート「コスタ・カレージェス」。限られた人だけが究極のリゾートライフを満喫できるここでは、乗馬もまた波打ち際での外乗からポロ競技まで思いのまま楽しめる。photos:Yasuo Konishi

Lifestyle 2020.01.24

太平洋を望む究極のリゾート「コスタ・カレージェス」で過ごす、乗馬三昧の日々

一人のイタリア人銀行家がメキシコで結実させた夢の理想郷、それが「コスタ・カレージェス」だ。その息子が無類の馬好きで、ここに2面の競技場を持つポロクラブを設立した。ここには、ポロのために個人で20頭以上収容できる厩舎を持っているファミリーもいるという、馬好きにとってのまさに理想郷といえるだろう。

建築と自然のアーティスティックな融合

この建物の名前は「カーサ・ミ・オーホ(私の目)」。この地を見いだし、開発したイタリア人銀行家のジャン・フランコ・ブリニョーネ氏は左目が見えなかった。もともと氏の私邸として設計されたここは、彼自身の分身という氏の思いが込められていたのだろう。アーティステックな外観を舞台にした、時間の経過と共に変化する光と陰の饗宴は、まさにコスタカレージェスならではのもの。1日中、光を追いかけていても飽きることはない。

 その建築物を目の前にしてまず鮮やかな色彩とユニークなデザインに目を見張る。そのあまりの奇抜さに目を奪われていると、空と海と陽光の変化とデザインが緻密に計算され尽くしていることに驚嘆する。アートとリゾートの融合がこれほどに心地よいことを誰が想像しただろうか。よりプライベートでよりラグジュアリーなリゾートの嚆矢として約50年前に誕生し、今も多くのセレブから愛されるビーチリゾートの最高峰だ。
 世界の関心がまだアシエンダに向けられていなかったころ、ひとりのイタリア人がメキシコの太平洋岸で夢の実現のための理想的な土地を発見した。トリノで代々銀行家として名をなす裕福な家庭に生まれたジャン・フランコ・ブリニョーネ氏はコスタ・カレージェスの海岸線に自らが描く理想のリゾートを見出したのだ。
 広大な土地を手に入れたブリニョーネ氏は1968年に夢の実現への一歩を踏み出す。それはいわゆるリゾート開発というより、空と海と大地というキャンバスを前にしたブリニョーネ氏による創造活動といった方がより正確に現実を伝えているかも知れない。
 今回紹介するリゾート、コスタ・カレージェスはいわゆるアシエンダではない。太平洋岸におけるラグジュアリー・ビーチ・リゾートの嚆矢として誕生し、そのユニークさゆえに今も多くのセレブを惹きつけてやまないが、いまだ日本でほとんど知られていない稀有の存在だ。そんな知る人ぞ知る本物のラグジュアリー・リゾートをここではご紹介したい。当然のことながら、乗馬の楽しみにも事欠くことはない。

 

思いのままに馬を駈る、プライベートリゾートの贅沢

ポロクラブに惹かれてここの別荘を購入したというアルディソーネ夫妻。限られた人しかいないここでは、誰に気兼ねすることなく乗馬を満喫できるという。夫人が身につけているのは、女性用のチャレアーダの衣装。これはこのまま正式のパーティにも出席できるという。

 3000ヘクタールにおよぶ広大な土地に入れるのは数少ない住民とゲストだけだ。そのため、ビーチの波打ち際を何の気兼ねもなく馬を走らせることもできるという夢のような経験を味わえる場所だ。
 とえば波打ち際で馬を駈ける女性はこのリゾート地に別荘のみならず、専用の厩舎も所有しているカリ・アルディソーネさん。英国人とインド人の血を引く彼女の夫はイタリア人で、大のポロ愛好家だ。このご夫妻がここに別荘を構えた理由は馬とポロにあることはいうまでもない。ポロクラブに加えて、ここには本格的なポロ競技場が2つも整備されているのだ。
 このリゾートは別荘を販売するとともに、持ち主が不在の時にはタイムシェアという形で一般のゲストに宿泊を提供している。このゲストに名を連ねているのはハリウッドのスターたちが多いが、その名を挙げれば、フランシス・コッポラ父娘、クエンティン・タランティーノ、ロバート・デ・ニーロ、トム・クルーズなど錚々たる名前が挙がる。ちなみに日本人の最初の宿泊客は三宅一生氏だったという。
こうした42軒の別荘は互いに視界を遮ることなく点々と建てられている。このほかに湾に臨む場所に40戸が入ったコンドミニアムが建てられているほか、すでに他のホテルグループに売却しているが51部屋を持つホテルも敷地内に建てられている。

 

夢のポロクラブ創立へ

アルディソーネ夫妻が所有する厩舎。個人で20頭以上のポロポニーを所有するとなればどれだけのコストがかかるのか、私たちの想像の範囲を大きく超えている。もちろんポロクラブからのサポートもあるが、それでも20頭の維持費は半端ではないだろう。ポロがキング・オブ・スポーツといわれる所以だ。

「メキシコの馬はアルゼンチンと同じくらい優秀なんですよ」と言うのは、ジャン・フランコ氏の息子、ジョルジョ・ブリニョーネ氏だ。ジョルジョ氏は1989年にここにポロクラブをオープンした。父親はポロに対してまったく関心がなく「そんなものを作るより、その金で遊んだ方よっぽどましだ」と積極的な賛同は得られなかった。しかし、子ども頃からポロに熱中し、馬への愛情を人一倍持ち続けてきたジョルジョ氏にとって、ポロクラブは父と同じく夢の実現だったのだ。競技場を作ることについては何も知らなかったジョルジョ氏はフランスの知り合いを頼り、今ではメキシコ一と自ら誇るほどのフィールドに仕立て上げた。

 

ポロが功を奏した営業活動

ご子息のジョルジョ・ブリニョーネ氏曰く、メキシコは馬を扱う長い歴史を持つのだから、ポロの競技馬の調教にも長けている、とのこと。広大な敷地を持つコスタ・カレージェスでは、馬関連のすべての施設がゆったりと設えられている。

 

 ポロクラブができると裕福な乗馬愛好家の興味を惹き、別荘を購入の動機となった。前述のアルディソーネ夫妻はそのまさに典型的な例であり、父の予想は大きく外れたのだ。
「アメリカ大陸ではゴルフの話題よりポロのほうがビジネス上も役に立つのです。企業の重役ほどポロへの関心が高いのですから」
 ビジネスへの目配りも忘れていないと付け加えるが、無類の馬好きであることは、具体的なポロや馬の話になると口調が変わることからも明らかだ。
 毎年イースターの時期にはコスタ・カレージェス杯が行われ、自身も競技に参加し、大いに盛り上がるという。

 

夢のプライベートリゾートで、乗馬三昧の夢を叶える

ポロクラブの厩舎もコスタ・カレージェスらしさを感じられる彩色になっている。そしてこのポロクラブも、今ではメキシコ国内でも有数のポロクラブとして成長し、大きな大会も定期的に開催されている。

 ポロはもちろんだがファミリー向けに障害飛越やエンディランスにも力を入れている。波打ち際から山間まで変化と起伏に富んだ広大な敷地内だけでも、エンデュランスの醍醐味は充分に味わえるだろう。また乗馬ビギナーのためのレッスンも行っているので、この恵まれた環境の中で、ある程度のロングステイを決め込んでじっくりレッスンに取り組むのもスキルアップの近道になるかも知れない。まず自分がやってみたいことをスタッフに伝えること、それだけでより多くの夢が叶う、それがコスタ・カレージェスの何よりの魅力だろう。メキシコに行く機会があればぜひ訪ねてみてはいかがだろうか。

 

コスタ・カレージェス Costa Careyes

P.O. Box 87 Melaque
Jalisco, Mexico 48980
tel. +52(315)3510-320
fax+52(315)315-0324
www.careyes.com