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マナーハウスで堪能する、英国流乗馬の休日_ラックナム・パーク ホテル&スパ

いかにもイギリスといった佇まいのカントリーハウスやマナーハウスは、貴族的な気分を味わえるスポットのひとつ。ここでは「ラックナム・パーク ホテル&スパ」で味わう英国的乗馬の醍醐味をご紹介。photos:NAOKI

Lifestyle 2019.10.04

マナーハウスで堪能する、英国流乗馬の休日_ラックナム・パーク ホテル&スパ

初級者から上級者、子供から大人まですべてのライダーが、それぞれのレベルで、クロスカントリー、ジャンピング、ドレッサージュ、ハックなどのレッスンが受けられるここには、まさに理想的な乗馬環境が揃っている。

カントリーライフは豊かな人生の象徴

ラックナム・パークでは、ゲストの要求に応じてさまざまなタイプの乗馬が楽しめる体制が万全だ。中世の貴族的気分を味わえる、絶好のロケーションでの乗馬はここならではの魅力。

 

豊かな暮らしとは何だろう? 高価な調度品に囲まれて、きらびやかな衣服に身を包んで、高級な車に乗って……。スローライフという言葉が一般的になったこともあって、昨今ではそうした物質的な豊かさを誇ることは少なくなってきたが、そんな議論のはるか昔から、まさにイギリス人が大切にしている豊かさの基準の一つに、“カントリー・ライフ”という生活スタイルがあった。 平日はロンドンで世界を相手にビジネスを切り盛りし、休日にはカントリーサイドで乗馬やポロ、ハンティングなどを満喫する──、かつての英国王室の人々や貴族階級の人々が現在に至るまで親しんできたスタイルともいえるそんな暮らしこそ、イギリス人にとっての憧れの暮らしであり、豊かな暮らしの物差しになっている。 ラックナム・パークは、イギリスの西部にある著名な観光地バースに程近いカントリーハウス・ホテルだ。ホテルのゲートを入ってから約1.6㎞にも及ぶ道を進んでいくと、やがて17世紀後半に建てられたという瀟洒な建物が見えてくる。その途中、19世紀半ばに植樹されたライムとブナの並木道を馬に乗って散策している宿泊客に出会うこともしばしばあるという。かつて、ホテルに改装される前の敷地内には、狩猟犬や馬のための大規模な家畜小屋や馬小屋が存在した。この厩舎では一流の競走馬も飼われていたこともありというが、現在ではホテルに滞在したゲストが乗馬を楽しめるエクエストリアン・センターとして機能している。このエクエストリアン・センターでは、ポニーライディングもでき、ファミリールームも完備。家族で乗馬が楽しめるサービスが用意されている。

乗馬三昧のマナーハウス“ラックナム・パーク”

BHS(ブリティッシュ・ホース・ソサエティ)のインストラクターが常駐し、初級者から上級者までそれぞれのレベルにあわせたレッスンを提供するエクエストリアン・センター。500エーカーという広大な敷地内でのレッスンは安全かつダイナミック。クロスカントリー、ジャンピング、ドレッサージュ、トレッキングなどメニューの豊富さも大きな魅力だ。

500エーカーにおよぶ広大な敷地には手つかずの自然も広大に残されているが、その一方でコテージガーデン、ウォールドガーデンなどさまざまな様式の質の高いガーデンも整備されており、緑に包まれたその癒しの空間は、何かしらの記念日の思い出に訪れる人々で一年中にぎわっている。 賑わう、といっても全42室。13室のスイートルームを含むその42室は、“スノードロップ”や“ティー・ローズ”など、すべての部屋に植物の名前がつけられている。かつて厩舎であったという建物をリノベーションしたすべての客室からは中庭を臨めるようになっている。もとサドルルームだったという客室もあり、部屋ごとに表情が異なるのも楽しい。 限られたゲストに対し120名前後のスタッフによる最高のホスピタリティーを約束してくれる。もともとは個人所有の邸宅である。ゆえに、5つ星でありながらもフレンドリーな魅力を兼ね備えているのだ。ホテルの哲学でもある「従業員を含むすべての人をリスペクトすることがホスピタリティーの根源だ」というスピリットが行き届いているのが施設全体から感じとれる。
 

馬を駆ることの喜びを、体いっぱいに受けとめて

施設内のエクエストリアン・センターでは、ゲストの希望に応じてさまざまなプログラムを組んでくれるが、500エーカーの雄大で安全な敷地内でのハックがいちばんのお勧めだという。もちろん初級者から上級者、子供から大人まですべてのレベルで、ジャンピング、ドレッサージュ、ハックなどのレッスンが受けられるよう、BHS(ブリティッシュ・ホース・ソサイエティ)の資格を持ったインストラクターがここには常駐している。上級者にはクロスカントリー・コースでの楽しみも用意され、今後は世界レベルの著名な選手を招いてのクリニックや講習会も行いながら、馬を愛するあらゆる層のゲストが足を運びやすいように、さらに乗馬環境を整えていくという。 マネジャーのドーン・キャメロンは、「馬との関係が大好きで、ここを訪れた人に乗馬を教えることによって、馬や馬に乗る人々を幸せにすることが私の誇りです。自分の中にある馬への情熱を教えている人と共有できたと思える瞬間が何ものにも代えがたい喜びですね。この場所ではそれこそ馬も自由に過ごしているから、ゲストにとっても構えることなく自由に馬に触れられる、とてもハッピーな場所だと思う」とこの施設の魅力を語ってくれた。

自然と寄り添って暮らすことの贅沢

地元の素材を使用した手作りの典型的なアフタヌーンティーのセットで優雅なひとときを満喫。13室のスイートルームを含む全42室は、“スノードロップ”や“ティー・ローズ”などの植物の名前がつけられている。もと厩舎の建物をリノベーションした部屋からはすべて中庭を臨めるつくりに。

 

ラックナム・パークでの一日はゆったりと過ぎてゆく。朝にはハックを楽しみ、午後にはすべてホテル手作りのスイーツが並ぶ伝統的なアフタヌーンティー、紅茶を飲み話が弾んだ後は、庭園を散歩。並木道を歩いていると乗馬を楽しむほかのゲストとすれ違う。夕食は、ここ4年連続でミシュランの星を取得し続けているレストランでのディナーに舌鼓を打ち、ぐっすり眠れるようにと火の灯されたスパで一泳ぎしてから部屋へと向かう。 ほんのりと街灯が灯された園内を部屋へと戻る帰り道、ふと足を止めると、どこからか緑の息吹と、花の香りがかすかに漂ってきた。 このとき、「神様が作った自然を感じながらその自然に寄り添って暮らすことが、いかに贅沢なことであるか」と改めて気づかされた。英国人が大切にする豊かな生き方に対する価値観を少しばかり共有できた瞬間だ。

 

ラックナム・パーク ホテル&スパ Lucknam Park Hotel

Colerne,Chippanham,Wiltshire SN14 8AZ
Tel: +44(0) 1225 742 777
www.lucknampark.co.uk