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吉江理加先生の「乗馬と美ボディに効く、自宅YOGA」

乗馬クラブ通いもままならない“コロナ禍”です。そこでご提案させていただくのは、こんな時だからこその「おうちYOGA」。乗馬のスキルアップと美ボディが手に入るという、まさに一粒で二度!美味しい“YOGAレッスン”、ぜひお試しを。Text:Hiromi Nakano

Lecture 2020.04.28

吉江理加先生の「乗馬と美ボディに効く、自宅YOGA」

乗馬クラブで愛馬に乗る──、そんな当たり前のことができなくなってしまった今日この頃。であるなら、ここでは自宅でできる乗馬のスキルアップと美ボディ磨きをご提案。乗馬YOGAのインストラクター“吉江 理加”先生がナビゲートします。

乗馬クラブ通いもままならない“コロナ禍”です。そこでご提案させていただくのは、こんな時だからこその「おうちYOGA」。自宅でじっくりと取り組むことでいつの間にか乗馬のスキルアップと美ボディが手に入るという、まさに一粒で二度!美味しい“YOGAレッスン”です。春は新しいことをスタートさせるのに最適な季節。乗馬中の体の使い方をヒントに考案された「乗馬ヨガ」で理想的な騎乗姿勢と美しいボディラインを手に入れて、より輝きのある楽しいライディングライフを手に入れましょう。

乗馬ヨガで骨盤力を高める

「乗馬ヨガの一番の魅力は、骨盤力を高められることです。骨盤まわりの筋肉を緩めてから締めることで骨盤の歪みを整え、骨盤まわりの深層筋(インナーマッスル)も鍛えることができます」と乗馬ヨガのプログラムを考案した吉江理加先生は話す。
しなやかで美しい騎乗姿勢をつくるためには、土台となる骨盤を整えることが重要だ。この乗馬ヨガには骨盤を整えるポーズのほか、体幹を強化してバランス力を高めるポーズが多く組み込まれている。
ヨガでは呼吸を意識しながら体を動かすことが大切。まずは腹式呼吸を繰り返し、呼吸を深めることからはじめたい。呼吸が整ってリラックスした状態だと、より正しい姿勢を意識しやすくなる。自分の体を客観的に知ることで、騎乗中に馬のリズムにも合わせやすくなるだろう。
チェアポーズやヒールアップ、ドルフィンは、内転筋や腹斜筋など乗馬の際に重要な働きをする筋肉を鍛えることができる。ポーズをキープする時間をできるだけ長くすることで筋肉をいっそう強化できるが、息を止めないように気をつけよう。そして無理のない範囲で行うことがポイントだ。
家の中で過ごすことが求められている今こそ、その時間を有効に活用して乗馬のための体づくりをしていれば、乗馬クラブに行って騎乗した時、馬のリズムにスムーズに乗れている自分に驚くはずだ。この乗馬ヨガはシェイプアップ効果も期待できるので、夏へと向かう今、キレイを磨きたい人にもぜひお薦めしたい。

まずは腹式呼吸で、呼吸への意識を高めよう

尾骨から頭頂へまっすぐな線を結び、その延長線がそのまま天へと伸びていくようなイメージを描きながら、ゆったりと胡座をかく。ゆっくりと深い腹式呼吸で気持ちを集中させることが大切。また正しいたちポーズを意識しすぎて背筋を伸ばそうとすると反り腰になってしまうので、力まずにあくまでも自然体で。

楽な胡坐を組み、尾骨から頭頂までをまっすぐにする。肩を少し後ろに引き、耳たぶと肩の距離を離して背筋を伸ばす。ゆっくりと息を吐いてお腹が背中につくようなイメージでへこませて、吐ききったら、ゆっくりと息を吸っておなかを膨らませる。お腹に手を当てて行うとより意識しやすい。腹式呼吸で横隔膜を上下させることで、インナーマッスルである横隔膜を鍛えることができる。呼吸が深まるまで数回繰り返す。

体幹を安定させる、正しい立ち位置を確認しよう
両足をそろえて、くるぶし、膝の後ろ側、骨盤、肩甲骨、耳たぶが1本の線で結ばれるようにまっすぐに立つ。拇指球をマットにつけ、尾骨を下げて恥骨を上げるように意識すると正しい姿勢がとりやすい。足の小指側に体重を乗せるとO脚になってしまうので気をつけよう。

●NGポイントはここ!
背筋を伸ばそうと意識しすぎると、胸郭が開きすぎて反り腰になってしまう。またそれを共生しようとして、肩を前に入れると猫背になってしまう。猫背の人は前肩になって腕全体が前になる人が多いので、中指をパンツの横のラインに沿わせるよう意識しよう。

内転筋群を鍛える、チェアポーズ

肩の力を抜き、下腹部に力を入れるのがコツ。この一連の動きの中で、タオルが落ちてしまう人は太腿の内側の筋肉が弱っている証拠。それは脚による馬への指示が伝わりにくくなっているということ。タオルを落とさずにできるまでじっくりと取り組もう。

体幹が定まった正しい立ち姿勢が意識できたら、膝にタオルをはさみ、太腿の内側にしっかりと力を入れて拇指球でマットを押すようにしてまっすぐ立つ。そこからゆっくりと腰をおとして中腰になる。膝がつま先よりも前に出ないように気をつけよう。みぞおちと恥骨の距離を少し縮めるようにして、下腹部に力を入れて両手を上げる。途中でタオルが落ちてしまう場合は、太腿の内側の力が緩んでいる証拠。

●NGポイントはここ!
首がつまって前屈みになっていると効果は半減してしまう。肩の力を抜き、下腹部に力を入れ、猫背にならないようにすることがポイント。

腹斜筋を鍛える、チェアポーズのツイスト
インナーマッスルのひとつである腹斜筋を鍛えるポーズ。「チェアポーズ」の状態から片方の肘を膝にかけ、手を合わせて体をねじる。胸と太腿の距離を離すようにねじりを深めよう。ウエストラインの引き締めにも効果的だ。

ふくらはぎを引き締める、ヒールアップ

下腹部に力を入れて、腰が反らないように骨盤を立たせて。軽く手を握って、やさしく手綱を持っているイメージを持つとより効果的。

太腿の内側とふくらはぎを引き締め、下半身を安定させるエクササイズ。つま先を少し外側にして脚を広げて立つ。下腹部に力を入れ、腰が反らないよう骨盤を立たせる。軽く手を握り、手綱を持った時のような状態にする。
息を吸って両手を上げ、吐きながら肩の力を抜いて肘を下ろす。腕の上げ下げを数回繰り返す。骨盤が前傾する人が多いので、坐骨を馬の背に立たせているようなイメージを意識しよう
手を太腿の内側において、肩を交互に入れる。肩を入れた時、できるだけ入れた肩のほうを見る。反対も同様に。骨盤を開き、肩の柔軟性を高めるエクササイズだ。
 

ヒールアップは、太腿の内側とふくらはぎを引き締めるのに効果的。左右交互にかかとを上げたり腕をを動かかしたりすることでバランスが崩れやすくなるが、この状態でも常に体幹が安定していることが大切だ。

手を腰に置き、上体がぶれないように気をつけながら右足のかかとを上げて下ろす。次に左足のかかとを上げて下ろし、左右交互に繰り返す。太腿の内側と、ふくらはぎを引き締める。
片足ずつ交互に上げながら、手を上げたり、横に伸ばしたりする。腕を動かすとバランスが崩れやすくなるが、その状態でも体幹が安定するようバランス力を高めよう。
最後に、手を腰に置いて両かかとを上げる。小指側に体重をかけると転倒する可能性があるので気をつけよう。太腿の内側と拇指球に力を入れて、かかとを上げる。
 

腰に負荷のかかる「ヒールアップ」を行ったあとは、必ずカウンターポースを行うことを忘れずに。しっかりこれを行うことで慢性的な腰痛などを防ぐことができる。

ヒールアップ・エクササイズは腰に力が入るので、行った後は必ずカウンターポーズをして背中や腰を緩めよう。つま先を正面にし、両手を上げてからゆっくりと前屈する。頭頂を真下にして、肘と肘を持って腰を伸ばす。この状態をしばらくキープしたら、手を床について膝を曲げてからゆっくりと起き上がる。

 

体幹と二の腕を鍛える、ドルフィンポーズ

二の腕の強化と腹筋にも効く「ドルフィン・ポーズ」。タオルを膝に挟んで行うことで、内転筋やインナーマッスルの強化も期待できる。できるだけ呼吸を整えてゆっくると行うことがポイントだ。

両手を組み、手と肘が三角形の位置にくるようにマットにつける。足指を立て、息を吸いながらおしりを上げ、吐きながら下げる。背中が反らないよう、体幹と二の腕をしっかり使うのがポイント。最初は上げ下げ5回を3セット、慣れてきたら10回を3セットやってみよう。二の腕の引き締めに効果的なエクササイズ。タオルを膝に挟んで行うことで、さらに内転筋やインナーマッスルを強化できる。

●NGポイントはここ!
きつい人は、膝を立てた状態から行ってもよい。膝を伸ばすと腰が反れてしまうようであれば、無理をせず膝をついて行ったほうが効果的。おなかにしっかり力を入れて背中が反らないように行おう。

ジャラネティで、ウイルス&花粉症対策!

ジャラネティと呼ばれるインドの鼻うがい。最初は慣れないこともあって多少戸惑うが、慣れれば結構快適に行うことができる。このネティポットは吉江先生がインドで買い求めたものだが、日本ではヨガスタジオやネットショップなどで販売している。

花粉が多いこの季節、ウィルス対策乗馬を楽しみたいのに花粉症でつらい思いをしている人にはジャラネティ(鼻うがい)がお薦めだ。ヨガの浄化法のひとつで、鼻の中の花粉やほこりなどの汚れを除去することができる。1日1回続けていれば、呼吸がスムーズになり、のどの痛みも楽になるだろう。風邪予防にも効果的。

 

●使い方
ネティポットに約200ccのぬるま湯を入れ、塩(小さじ1)を入れてかき混ぜる。やや前屈みになって顔を傾け、片方の鼻孔にポットの口を当てる。口を少し開け片方の鼻に塩水を少しずつ注ぐと、反対側の鼻孔から塩水が流れ出す。半分注いだら、反対側も同様に行う。全部注ぎ終わったら、片鼻を指でおさえて反対側の鼻から勢いよく空気を出す。反対側も同様に行う。